東京大学物語(7)仮面浪人

入学式で出会った池之幡由貴と遥は、キャンパスの人気者になっていた。
しかし、由貴は自分より男に人気のある遥を快く思っていなかった。
早稲田大学で仮面浪人をしている村上は、慶應大学に合格した英里から、謝罪の手紙を受け取った。
充実した大学生活を送っている遥、サッカーに熱中している佐野、劇団に入り夢を追っている朝倉を見た村上は、自分が取り残されているような寂しさを感じていた。
遥は、「大学をおもしろくする会」を作り、そのメンバーと箱根に来ていた。
遥を追って箱根まで自転車でやってきた村上は、そのまま倒れてしまった。
しかし、このまま無残な姿を東大生に見せたくはないというプライドが村上を立ち上がらせ、おもしろ会のメンバーに卓球勝負を挑む。
全国模試でトップだったという自信満々かつ理論的な武田にプライドを傷つけられた村上は、動揺し、次々と点をとられてしまう。
遥の部屋で、ついに遥と二人きりになれた村上。
各々が感じていることを包み隠さず話し、大いに盛り上がる二人だった。
お互い話をしているうちに、話題が受験前日の英里との一件になった。
自分も自由に生きていきたいから好きな人を縛る権利はないと、嫉妬もしない遥に、村上は戸惑いを覚える。
せっかく盛り上がった雰囲気は徐々に壊れはじめ、村上は遥の部屋から逃げ出してしまう。
そして、村上から連絡がこなくなった遥は……。
冬休み、村上は真紀と函館に里帰りしていた。
高校時代、遥とキスをした函館山の頂で、真紀と気持ちを確かめあったが、ここでは真紀とキスができない。
そんな村上を見て、遥のことがまだふっきれていないと思った真紀がとった行動は…。
大学入試センター試験の翌日、遥は村上の合格祈願に神社に来ていた。
そこで、英里と偶然再開し、村上に振られたことを告げる。
一方、村上は、アパートで真紀と試験の自己採点をしていた。
東大後期試験当日、真紀に「水野さんのところにはいかないで」と涙ながらに引き止められるが、試験を受けに行き、晴れて東大生となった村上。
充実感と勝利感に酔いしれるなか、入学式前に行なわれるオリエンテーション合宿に参加する。
しかし、合宿所に向かうバスの中で、現役生だと反射的に嘘をついてしまい、悪いことに、箱根で卓球勝負をした武田に偶然出会ってしまう。
早稲田の仮面浪人生であったことがばれるのを恐れた村上は…。
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